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『元彼の遺言状』シリーズ

読書

こんにちは、いろはです。
今回ご紹介する本は、最近私がハマっている新川帆立さん著書『元彼の遺言状』シリーズです。
個人的には今年一番ヒットした小説かもしれません。
従来のミステリーとは一味違った作品になっているので、ミステリーが好きな人はぜひ読んでほしいシリーズです!

Amazon.co.jp: 【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】元彼の遺言状 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) : 新川 帆立: 本
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『元彼の遺言状』シリーズは、今までと一味違ったミステリーが楽しめる!

グラフの見方については以下の記事を参照にしてください。

縦軸は上級者寄りの位置づけに。
贈与論、ポトラッチといった聞きなれない言葉が出てきたりするので言葉の意味を理解するのに時間がかかるかもしれません。
謎がどんどん出てくるので読書に慣れしている人のほうが話が入りやすいと思いました。

横軸の視点については新しい寄りの位置づけに。
犯人選考会の代理人として出席するなど、今まで出てくる弁護士さんとは違った設定があるのがこのシリーズの魅力。
シリーズごとに新しい発想や設定が考えられていて面白いです。

以上の点から総合するとグラフのような位置づけになりました。
今までと違ったミステリーが読みたい人やスカッとする展開のストーリーが読みたい人におすすめです。

こんな人におすすめ!

  • 今までと違ったミステリーを読みたい人
  • スカッとする展開のストーリーが読みたい人

『元彼の遺言状』シリーズのストーリーと感想

『元彼の遺言状』シリーズは、長編が2冊、短編が1冊の合計3冊出版されています。
読み進める順番にストーリーと感想を述べていきます。

長編 『元彼の遺言状』

Amazon.co.jp: 【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】元彼の遺言状 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) : 新川 帆立: 本
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シリーズ1作品目『元彼の遺言状』は、2021年第19回『このミステリーがすごい!』大賞で満場一致で大賞を受賞した作品です。
女優の綾瀬はるかさん主演でドラマ化もされました。

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して亡くなった森川製薬御曹司の森川栄治。栄治と3か月だけ付き合っていた主人公の剣持麗子は犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として森川家主催の「犯人選考会」に参加することになる。麗子は遺産の分け前を獲得するために、依頼人を犯人に仕立てようと奔走するというストーリー。

基本的には被害者や家族の人を弁護するのが弁護士の仕事ですが、本書の剣持麗子は犯人を弁護するという今までにない斬新なストーリー。
謎が解けたと思ったら、また次の謎が増えていき、「最終的にどうなるの?」とハラハラしながら読み進めましたが、すべての話がうまく説明され、個人的には納得のいくきれいな終わり方だったと思います。
贈与論の話ででてきたポトラッチの話が興味深く、何気ない話ですらストーリーに絡められていて面白かったです。

また本書ではさまざまなタイプの女性が登場するのですが。
「あー、こういうタイプの女性っているよね」と共感しながら読み進めるのも楽しかったです。

長編 『倒産続きの彼女』

Amazon.co.jp: 倒産続きの彼女 : 新川 帆立: 本
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シリーズ2作品目は『倒産続きの彼女』です。
同じシリーズですが、今作品の主人公は麗子さんが働く弁護士事務所の1年後輩、美馬玉子です。
麗子さんも登場しますが、メインは玉子ちゃんです。

「会社を倒産に導く女」と内部通報された近藤まりあの身辺調査を行うことになった玉子。先輩である麗子に対して苦手意識を持つ玉子だが麗子と渋々コンビを組み、身辺調査を行う。調査を進めるとさまざまな謎がでてきて頭を悩ませる。そして予想外な事件に玉子は巻き込まれていくというストーリー。

同じシリーズですが、主人公が代わるという驚きの展開です。
ですが新しい主人公の玉子ちゃん、個人的には一番感情移入したキャラクターでした。
美人で彼氏もいて仕事もできる麗子さんに嫉妬したり、美人ではないから男の人に可愛く思ってもらえるように自分磨きをしたり。
でも唯一の家族のおばあちゃんのために一生懸命働いていい家に住ませてあげたり、面倒見てあげたりと陰で努力をしている玉子ちゃんにかなり心を持っていかれました(笑)。

そして今作では命の価値というものの怖さを思い知らされました。
人間ひとりの生涯年収は2~3億円。
それにそって経営者保険が2億円と聞くと命の値段は2億円ということに。
この話を聞いたとき、ぞっとしました。
裏で動いている謎の組織の正体もかなり気になるし。
まだまだ話は続きそうな終わり方でした。

短編 『剣持麗子のワンナイト推理』

Amazon.co.jp: 剣持麗子のワンナイト推理 : 新川 帆立: 本
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シリーズ3作品目は短編小説『剣持麗子のワンナイト推理』です。
主人公が麗子さんに戻ってきました。

1作品目『元彼の遺言状』で亡くなった村山弁護士のクライアントを引き継ぐことになった麗子のもとには、次々と一般民事の相談が舞い込んでくる。通常業務の合間(主に深夜)に事件を解決していくというストーリー。

今作品は5つのストーリーから成り立っています。
最初の話で登場する新キャラ黒丑益也くん
彼が今作品のキーパーソンで、何かと事件あるところに登場します。
ただの短編集と思って油断して読んでいると、最後には衝撃の展開が待っていて驚きました。
2作目で登場した謎の組織も登場して今後の展開がますます気になります!
個人的には黒丑くんの今後が気になるので本編にも登場してくれると嬉しい。
事件の謎は短編なので少し物足りない感はありますが、話の展開は面白いです。
次回作はぜひとも長編小説を期待したいです!

『元彼の遺言状』シリーズの魅力

ここからは、『元彼の遺言状』シリーズの魅力について語っていきたいと思います!

魅力① 今までにない発想や要素を加えたストーリー展開

犯人を弁護する弁護士や犯人選考会、企業を倒産させることで企業を殺害するという発想など。
今までのミステリーとは一味違った発想要素が加わっているのがこのシリーズの魅力です。
「犯人選考会ってなに?」と気になると一気に物語に引き込まれます。
続きが気になるストーリー作りがされています。

魅力② 学びがある

1作品目では「ポトラッチ」、2作品目では「醜いアヒルの子の定理」が登場します。
どちらの話も興味深くて学びがあり、かつストーリーにもうまく絡んでくるので面白いです。
特に私はポトラッチの話が面白かったです。

また2作品目は法人事件がテーマということもあり、労働問題に絡んだ事件が取り上げられています。
正規雇用非正規雇用
作品中で指摘があるまでこの違いについて意識していなかった私は社会に対して興味が薄いなと感じました。
社会問題についても意識させられる内容になっています。

魅力③ 魅力的な登場人物たち

お金にならない仕事はしない主義の美人で仕事ができる破天荒な剣持麗子。
強烈なキャラクターが印象的で現実世界にいたら友達にはなりたくないタイプ(笑)。
でもストーリーが進むとその破天荒な行動に爽快感を感じたり、人間味のある場面もありいつしか共感をしていたり。

麗子さんだけでなく、自分が愛した女性たち全員に遺産を分けようとするお人好しな一面がある森川栄治や2作目主人公の玉子ちゃんなど。
みんなそれぞれの思いや考え方、生き方があり、憎めない登場人物がたくさん出てくるのがいいですね。
共感できる登場人物が見つかると作品を読むのが楽しくなります!

おわりに

一味違った要素が加わったミステリーが楽しめる『元彼の遺言状』シリーズ。
大賞受賞作にふさわしく、面白い作品で続きが気になります!
しばらくは新川帆立さんの小説を読み漁ろうと思います(笑)。
ミステリーが好きな人はぜひ読んでみてください♪

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新川帆立さんの別の作品『先祖探偵』も読み終わり、ブログにしたので興味のある人は読んでみてくださいね♪

早坂吝さん著書『探偵AI』シリーズも面白かったです。
奇抜なトリックでも大丈夫という人はぜひ読んでみてくださいね♪

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